COLUMコラム

森のようちえん。移住で叶える「生きる力」を育む子育てとは

地方への移住や田舎暮らしに想いをめぐらせている方のなかには、「自然豊かな環境で子どもを育てたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

あたり一面さえぎるものがない野原を駆けまわり、じゃぶじゃぶと入りこんだ田んぼや川で虫をつかまえ、山道で拾った枝や落ち葉で工作あそび……

虫刺されもすり傷も失敗も成功も、目の前にある自然をあそび道具にして子どもの生きる力を育む場として、「森のようちえん」が全国各地に点在しています。

森のようちえんは、それぞれの団体が独自運営しながらもゆるやかに全国ネットワークが築かれており、最近は自治体が森のようちえん活動を推進する機運も高まっています。

この記事では、森のようちえんがどのようなところなのか、森のようちえんで子どもがどのように成長していくのかをご紹介します。

自然の中で子育てする魅力

「自然に囲まれた子育て」とは何でしょうか?

野原にも田んぼにも川にも山にも、そこには自然の摂理があるだけで「こうやって遊びましょう」というルールはありません。自然のなかで遊ぶには、子ども自身に、そして遊びをリードする大人に「こうやって遊ぼう」「こうやったら遊べる」と遊びを組み立てるリテラシーが求められます。

「自然豊かな環境で子どもを育てたい」の願いの奥にあるあなた自身の「自然に囲まれて過ごすことで、子どもにどうなってほしい?」「自然のなかで過ごす子どもに、自分はどう関わりたいのか?…関われるのか?」を一度見つめてみてください。

きっと、海や山、川に囲まれた「自然の豊かな環境」で子供を育てる具体的なイメージが浮かんでくると思います。

  • 広大な大地に抱かれて、心にゆとりを持ってマイペースに育つ
  • 各コミュニティが家族のような繋がりを持っている
  • 自然の厳しさ、雄大さ、豊かさを四季折々の生活の中で学ぶことができる
  • 身近で生き物に触れる機会が多い

このコラムにたどり着いたということは、このような環境で子ども時代に豊かに過ごしてほしいと、願っている方なのではないでしょうか。

「森のようちえん」を求めた移住も

たとえ、自然豊かな環境に移住したとしても、親だけのチカラで、このような環境を提供し続けるのも難しいものです。

森の豊かさを存分に活かして子供の自主性を伸ばすような子育てがしたい!
そんな、そんな親たちの想いを体現できる場所があります。

それが、デンマークに暮らすひとりの母親が我が子のために森で行なった自然育児が発祥といわれている「森のようちえん」です。

今、「森のようちえん」のメソッドや教育理念に共感した親たちが、よりよい子育て環境を求め、
「森のようちえん」の運営拠点がある地域への「移住」が急増しています。

▶全国の森のようちえん 一覧はコチラ→→ 森のようちえん団体安全認証 団体一覧

面積の93%が森林のまち、智頭町は日本の十指に入る林業地。森と人の関係が深く、町民の森への思いも強い。
そんな森のまちは今、子育て世代の移住者が急増している。その要因のひとつが「森のようちえん まるたんぼう」だ。
“森のようちえん”とは、園舎を持たず、春夏秋冬、晴れの日も雨の日も子どもたちの活動拠点は森。遊び道具は自然。自然の中で過ごすことを重視する保育は、デンマークが発祥で、最近は日本でも広まりつつある。

子育てしたくなる市町村|01 鳥取県八頭郡智頭町

定型のカリキュラムを持たない「森のようちえん」

森のようちえんはもともと、1950年代にデンマークに暮らすひとりの母親が我が子のために森で行なった自然育児が発祥といわれています。北欧を中心に広がったその活動が2000年代中頃から日本でも注目され始め、2008年にNPO法人森のようちえん全国ネットワークが設立されました。

2021年5月末現在、森のようちえん全国ネットワークには250もの団体が加盟しており、ピラミッド型ではなくゆるやかに繋がったネットワーク上で、それぞれの森のようちえんは「自然の中で主体的に遊びを展開し、健全な発育・発達を促す」(森のようちえん全国ネットワーク「設立に関して」より)ことを重視した子育て・保育を行なっています。

森のようちえんの運営団体は、企業やNPO法人から認可園、無認可園、任意団体とさまざまです。
形態は違いつつも、森のようちえんに共通する特徴のひとつは、特定のカリキュラムをもたないこと。

保育者(大人)の意図に子どもをはめ込まないことが、森のようちえんでは大切にされています。保育者は、子どもが積み重ねるべき成功体験を用意する者ではなく、子ども自身がやりたいことを見つける・決める・やってみる姿をサポートする者として位置付けられています。

ときには失敗することも、小さな怪我をすることもあるでしょう。
そのリスクを排除も低減もせずに(大事に至らないようにしっかり注意しながら)見守ることは、「教育」に慣れてしまった大人には難しいことかもしれません。

子どもが自分で「やりたい」を見つけて、決めて、心ゆくまでやってみる経験は、たとえそれがうまくいかなかったとしても、知的好奇心や感受性、社会性、協調性、自己肯定感の向上につながります。

保育者が「これをしようね」「この順番でしようね」とステップアップの道筋をつくる教育環境では育まれにくい「生きる力」が森のようちえんにはあるとして、注目が集まっています。

子どもは失敗しながら、生きる力を育んでいく

多くの森のようちえんでは、子どもたちは雨の日も風の日ももちろん晴れの日も、春夏秋冬の移ろいを感じながら森で活動時間を過ごします。森の中を散歩しながら、子どもたちはどこで遊ぶか、1日をどのように過ごすかを「自分で」決めていくのです。

いつもと同じ森のなかで、いつもと違う温度や湿度、匂い、音、はじめて見る草木や虫、1年ぶりに咲き誇る花に子どもたちは出会います。「去年もここに咲いていたね!」は季節のリズムを感じる瞬間にもなります。
「見つける」「気づく」「観察する」を繰り返すことで、感受性や探究心、知的好奇心が育まれていくでしょう。

誰かに用意してもらった枠組みの中だけで遊ぶのではなく、自分の「気になる!」「やりたい!」から遊びを組み立てる経験は、成長してから正解のない環境、どうしたらいいかわからない状況に身を置いたときに、立ちすくみたい気持ちをコントロールして一歩踏み出す自信となるはずです。

誰にもさえぎられることなく失敗を繰り返し、試行錯誤を存分に味わえる環境というのは、「効率」や「成長」が優先される現代ではなかなか希有かもしれません。

「森のようちえん」活動を推進している自治体も!

森のようちえんは、園舎がないことなどが国の定める基準を満たさないとして、2019年にスタートした幼児教育・保育無償化の対象外になっています。

ただ、2021年4月からは、地方自治体の判断で認められれば、幼児1人あたり一律に月額2万円の給付が受けられることになりました。無償化対象の幼稚園と近しい(場合によってはほぼ同等)の制度になったといえそうです。

また、森のようちえんの活動を推進する自治体も増えてきており、2018年10月には長野県・鳥取県・広島県が「森と自然の育ちと学び自治体ネットワーク」を立ち上げ、2020年10月時点では119自治体が参画しています。

発起人である長野県・鳥取県・広島県の森と自然を活用した保育の取り組みをご紹介します。

長野県 信州型自然保育

「信州型自然保育」という独自の認定制度を設けており、2021年5月末現在、県内全域で224団体が認定団体となっています。

http://www.shizenhoiku.jp

鳥取県 とっとり森・里山等自然保育認証制度

「とっとり森・里山等自然保育認証制度」を設けていると同時に、森のようちえんに対して運営補助などの支援を行なっています。

https://www.pref.tottori.lg.jp/239563.htm

広島県 ひろしま自然保育認証制度

2020年11月時点で、県下で自然保育を行なっている40団体が「ひろしま自然保育認証制度」で認証されています。

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/244/shizenhoiku.html

まとめ

子どもたちが森のようちえんで育む「自分がやりたいことを見つける感受性」「どうやったら実現できるか想像する力」「成功する保障がないなかで取り組んでみる勇気」などは、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Ambiguity:曖昧性、Complexity:複雑性)の時代といわれるこれからの世の中で、きっと汎用的な「生きる力」となるでしょう。

ご自身が思い描く「自然の中でこういうふうに子育てできたらいいな」の具体像が、森のようちえんにあるかもしれません。


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